連載 #12 「2人展をしたはなし」

2024年7月1日

野村絵梨

第12回目の更新です。今回は野村が担当します!6月ですがもう一足早く夏が来てしまったような暑さですね。
最近は毎日、梅雨ってこんなに暑かったっけ?と思って過ごしています。

今回は6月に開催していた展示についてのお話です。普段なかなか詳しくお話する事はない作品制作についての裏話も少しだけ、お話できたらと思います。

「子どもの生活」をテーマに展示しました

6月8日から6月29日まで、銀座のWADA GAROU TOKYO Lab.というギャラリーで、あやいろ さんという絵画の作家さんとの2人展を開催していました。
今回の展示はギャラリーの方が、あやいろさんと私の作風に親和性があるので、一緒に展示したらとても面白い展示になるのではないか、と引き合わせてくださり実現した企画です。

普段私は大人世代の生活空間をテーマに作品制作を行っています。一方あやいろさんは普段外の風景を描写することが多く、作品内には子供がよく登場しています。
2人展を開催するにあたって、何度か話し合いをする中で、せっかくなら2人展でしかできないことに挑戦してみましょう、という事になりました。
そこで、私は大人の生活から子供の生活へ、あやいろさんは外の風景から家や部屋の風景へ、それぞれお互いに少しづつ歩み寄って作品を作ることにしました。

展示会場風景

二人展の面白さ

実はこれは、普段作家活動をしていて中々できる体験ではないのです。作家は基本的に自分の作品で世界観を完結させることが多く、(企業コラボなどはありますが)作家同士での世界観の行き来は、かなり珍しいと思います。私にとっても貴重な体験でした。

そうしていざ、作品をギャラリーに持ち寄って、合わせてみた時のワクワクは今でも忘れられません。作品の世界観を互いに少しづつ行き来する感覚が、新鮮で刺激的で、同じもの(靴や服、ぬいぐるみ、工作道具など)を描いていてもこう来たか!という発見があり、とても楽しかったです。

左のあやいろさんの作品上部の木と、右の野村の作品ポケットから出ている木は、両方梅の木

展示の反応

展示には弊社代表大野とスタッフ倉田、普段ねんど遊びワークショップに来てくれている子供たちも、たくさん来てくれました!!皆さま足を運んでいただき、本当にありがとうございます。
来てくださった方が目を輝かせながらギャラリーで作品を見たり、触ったりしている様子を見て、作品を作ってよかったなあと報われた思いでした。今回は子どもの生活がテーマなので、ぬいぐるみや小さな洋服などかわいらしいモチーフが並んでいました。

お越しくださった皆さんから、作品を見てかわいいと言っていただけることが多かったのですが、人によって自分の幼少期を思い出す人、自分のお子さんを思う人、子どもの場合は本当に今身近なものと感じる人など、同じ ”かわいい” でも視点が様々だったのが興味深かったです。

大野代表とクマのぬいぐるみ。なんだかかわいいショットです

また今回の作品には全てモデルがあり、展示に靴のモデルの持ち主のお子さんと、粘土作品のモデルを作ったお子さんが見に来てくれました!ご協力いただき、本当にありがとうございました!おかげで私一人では出せなかったリアリティが出せて、おもしろい作品になったと思います。

作品のモデルとなった粘土作品を作ってくれた子と記念写真!こいのぼりの作品のカラーリングが素敵だったので、再現にこだわりました。いつもワークショップで見覚えのある、ハサミやヘラなどの粘土道具も登場しています

運動靴のモデルの子も来てくれました!
色は似ているけど、形はほんものと何が違うかな?

今回の二人展では本当に何人も子どもたちが来てくれて、ギャラリーという普段行き慣れていない場所にも関わらず、作品に親近感を持って楽しんでくれている様子が見れたのがとても嬉しかったです。美術品というと高価で触れてはいけないイメージがありますが、私は特に子どもたちにはできるだけ作品に手で触れてもらって、質感や重さを感じてもらえたらいいなと思って日々制作しています。

野村がギャラリーに居るときであれば基本的に触っていただけるので、今後の展示もぜひ、お気軽にお越しくださいね。お待ちしております!

さて、もうすぐ夏本番ですね!Nendouのワークショップでは夏に向けての楽しい企画をいくつか準備中です。子どもたちにワクワクしてもらえるように、引き続き倉田とアイデアをたくさん出し合っていきたいと思います!
また近々、お知らせいたしますね!!お楽しみに。