歴史に名を残す芸術家も多分、部下に頭を悩ませた?

2022年12月1日

AsanoShiori

💡NENDOUの教養のじかんでは、アートを面白く、現代の生活やビジネスの視点から切り取り考察していくことで、皆様のお仕事や毎日の生活に生かせるちょっとした知識をお伝えするとともに、変化する時代にクリエイティブな問題解決のヒントとしていただけるような気付きを得られることを目的としてコンテンツを配信して参ります。現代の様々な悩みや問題もアーティストならどうするかという視点で考えてみるといいこと閃くかも?

歴史に名を残す芸術家も多分、部下に頭を悩ませた?

芸術家といえばみなさん何を想像するでしょう。

独立独歩、奇人変人、浮世離れした天才———。

ぼんやりとこんなイメージを持たれている方が多いのではなかろうかと思います。それは、ある意味間違いではないのですが、そのイメージだけではより深淵なる美術の教養としての面白さは半減されるであろうと思いますし、その時代背景や当時の芸術家のあり方等をより理解することで現代社会人にも共通する気づきやメタ的視点の手がかりになるであろうと思いますので、ちょっとそのイメージからさらに深掘りしたお話しができればと思います。

ルネサンス芸術は、チームワークの賜物

この度、みなさんにと考えてみたいのは”ルネサンスの芸術家と会社組織”について。

この二つのワードについて関連性があると思われる方は、あまり多くないのではないかと思います。それは、現代人が思う”アーティスト”というイメージが当時のアーティストの実際のあり方に大きな乖離ががあるからです。

まず、そもそもルネサンス期には現代のような”アーティスト”という概念すらありませんでした。

ルネサンスの時代には、個々の専門とする技術によって「画家」「彫刻家」「版画家」などと呼び分けされることが当たり前でした。つまり、今で言う「マーケター」「UXデザイナー」「ライター」というような単なる職種であると考えていただけると良いかと思います。

そして、その画家や彫刻家と呼ばれるような人々は、複数の弟子を束ねて、組織単位で仕事を共同作業することが一般的でありました。弟子たちを擁する画家や彫刻家たちは”親方”と呼ばれ、現代の会社組織で言うところの”代表”と考えて相違はありません。

画家や彫刻家として鍛錬された”親方”は、仕事を取り付け、作品によって仕事を分業して弟子にアサインし、作品を納品していました。つまりは、この時代の画家や彫刻家とは経営者としての資質も兼ね備えている必要があったことが容易に想像できるでしょう。そして、上質で多くの作品を残すことができるか否かには、傑出した技術的才能だけではなく、社交性や組織を機能させる能力などといった資質が大いに寄与したと言って全く過言ではないのです。

このような親方と弟子によって構成されるルネサンス期の工房の構図は、現代の企業の代表と社員のような構成に近似したものであり、現代人にとっても理解しうる、親近感を感じるものではないでしょうか。今の時代では、社員を弟子と考えるよりもよりフラットな関係性を築くようになっていますが、ルネサンス時代において弟子は、ある一定の修行期間を経て、独立することが一般的であり、この点でも現代のベンチャーや大手企業で経験を積み、起業していく現代の構造と重なるところがあると思います。

私自身、アーティストとして経営学を学びながら、この組織というものの共通点からルネサンス時代に現代の経営者、リーダーが学ぶことがあるのではないかと考えています。

次回は、ルネサンスの巨匠レオナルドダヴィンチに焦点を当てながら、組織の働き方を考えてみましょう!つづく…